身体に良い食べ物について思うこと
先日、大学生の前で少しだけお話しする機会がありました。
今までも、大人の前で焼き菓子屋をしている理由を話すことはあったので、それと同じ感じに話せば良いかなと簡単に考えていました。
当日はいつも通り、たどたどしく笑、話して、学生の皆さんもこちらを見て聞いてくれました。
無事終わってほっとし、学生さんたちが焼き菓子を買いに降りてきたところで、
ある一人の学生が聞かれました。
「このお菓子は、身体に良いんですか?」
あまりにもストレートな質問に、内心驚きながらも、
「食べ過ぎれば悪いですよ」
とお答えしました。
その答えは間違っていないと思うのだけど、後々、あー、言葉足らずだったなと思いました。
咄嗟には出てこなかったけれど、今の私の中の考えを記しておきます。
そもそも、身体に良い・悪いで言えば、
食べ物全てが身体には悪いと考えています。
食べて、消化・吸収・代謝・排泄する過程で、必ず身体に負担をかけているからです。
大切なのは、いかに「負担を減らした食べ方をするか」。
調理法や食べる順番などもありますが、素材の話に限って話します。
より負担が軽いのは、
農薬たっぷりの野菜よりは、無農薬の野菜だし、
添加物たっぷりのおやつよりは、無添加のおやつだし、
抗生物質たっぷり遺伝子組み替えの餌で育った肉や卵よりは、自然の中で育ったジビエや平飼い卵だし、
動物性より植物性だし、
小麦よりは米粉だし、
という話になってくるだけだと思うのです。
もちろん、負担の軽いものだけ食べるべき、という事ではないです。
「食べる」という行為は、人間の場合は「娯楽」という役割もたっぷりと担っているからです。
私自身、焼き菓子に、小麦もバターも卵も使います。
「美味しい」を優先させると、そうなります。
※私の技術では、という意味です。動物性のものを使うことなく美味しいお菓子を作られる方はたくさんおられます!
でもその中で素材は厳選するし、より負担の少ないものを常にリサーチして、変更したり混ぜ込んだりしています。
ベストよりもベター。
これが一番!と決めつけるのではなくて、より良い、を選ぶようにすると、私たちの日々のもの選びは少し楽になるんじゃないかなと思うのです。
「このお菓子は身体に良いんですか?」
この質問に対するベターな返しとしては、
「身体に良い食べ物ってなんだと思う?」
だったかなと、今は思っています。